留学先にもよりますが、長期間の留学費用は大変高額になります。しかし、奨学金を利用することで海外留学での金銭的負担を軽減することが可能になります。
奨学金には、「返済義務のある貸与型」と「返済不要の給付型」の2種類があります。
奨学金の額や応募・審査の条件は団体により異なりますが、基本的に返済不要の海外留学奨学金の支給条件は厳しく簡単に受給できるものではありません。
通常、支給条件には高い英語力、日本での優秀な成績や特別なスキル、推薦状などが求められており、基準を満たした人材に絞って留学費用がサポートされます。
給付型の奨学金は国際的な人材の育成を目的している場合が多いため、語学習得のみを目的にしているだけでは奨学金を受給するのは難しいと言えます。
海外留学に利用できる返済不要の奨学金は数多くあるので、ここではいくつかに絞ってご案内します。
ご自身に合った奨学金があれば、是非チャレンジしてみることをおすすめいたします。
トビタテ!留学JAPAN
機関名: 文部科学省
対象: 語学留学・海外進学
留学を目指す人にとっての強い味方として広く認知されている「トビタテ!留学JAPAN」は、文部科学省と民間が協働し、意欲と能力ある全ての日本の若者の海外留学を後押しするために2014年から開始したプログラムです。
主な取り組みである「日本代表プログラム」は、民間企業などから募った寄付金で高校生や大学生などの留学費用を支援します。
選考では英語力や学業の成績を問わない代わりに、応募者が自分で考えた留学計画をプレゼンします。
合否は「情熱」・「好奇心」・「独自性」を重視して決められます。
海外留学支援制度(JASSO)
機関名: 日本学生支援機構(JASSO)
対象: 海外大学・大学院・協定派遣
日本学生支援機構(JASSO)は、文部科学省所管の独立行政法人です。JASSOでは貸与型と給与型を含む様々な種類の奨学金制度を提供しており、留学派遣プログラムを対象とする短期派遣・給付型の海外留学支援制度も提供しています。
必須条件や資格が多いのが特徴です。
IELTS奨学金(ブリティッシュカウンシル・日本英語検定協会)
機関名: 日本英語検定協会・ブリティッシュ・カウンシル
対象: 海外大学・大学院
IELTSスコアを入学要件としている海外の大学・大学院が対象です。異文化間交流の促進を目的とした奨学金制度です。大学・大学院へ留学される方を日本から4名選出し、30万円を学費補助として支給します。
海外大学留学奨学金(経団連)
機関名: 経団連国際教育交流財団
対象: 海外大学・大学院
日本の大学または大学院に在籍し、海外の大学または大学院に留学を希望する日本人学生が対象です。
皇太子明仁親王奨学金
皇太子明仁親王奨学金は、皇太子明仁親王殿下(現在の上皇陛下)のご成婚とハワイご訪問を記念して昭和35(1960)年に創設されました。
機関名: 皇太子明仁親王奨学金日本委員会
対象: ハワイ大学マノア校
奨学金支給にあたっては、ハワイ大学マノア本校に合格することが前提となります。奨学金の内容は、ハワイ大学の学費免除、生活費等として年間25,000ドル、渡航旅費(上限あり)です。
チーヴニング奨学金(イギリス留学対象)
機関名: イギリス政府
対象: 大学院
イギリスの大学院の1年間の修士課程への留学を希望する学生を対象とした、大型の奨学金プログラムです。学費や生活費、渡航費までカバーされる他に、チーヴニング奨学金の伝統あるネットワークに参加できる機会も与えられます。
エンデバー大学院・専門技術奨学金(オーストラリア留学対象)
機関名: オーストラリア政府
対象: 職業専門校・大学院
エンデバー奨学金は、オーストラリアでの学問・研究や専門的能力開発などのための奨学金です。
フルブライト奨学金(アメリカ留学対象)
機関名: 日米教育交流振興財団
対象: 大学院・研究員・ジャーナリスト等
1年目は授業料40,000ドルまで、その他に生活費・住宅費手当も支給されます。2年目は全費用に対し25,000ドルまでの支給になります。
バニエカナダ政府奨学金(カナダ留学対象)
機関名: カナダ政府
対象: 大学院
社会・人文科学、自然科学・工学、保健等の分野において、世界水準の学生をカナダの大学の博士課程に招き、定着させることを目的とした奨学金(年間50,000カナダドルを支給)です。条件は多く博士号を取得していることも必須です。
高橋&ハワット記念奨学金(スコットランド留学対象)
機関名: NPO日本スコットランド協会
対象: 大学院
スコットランドで大学院修士または博士課程に進む日本の学生への奨学金制度です。支給金額は30万円です。
まとめ
奨学金の内容は様々です。留学先の国に特化した奨学金や国を問わないもの、申請条件がとても厳しいもの、比較的チャレンジしやすいもの等、給付内容もそれぞれで異なります。一方で給付型の奨学金に共通していることは、国際的な人材の育成と活用を目的していることです。
上記の他にも、都道府県等の各自治体にも留学に利用できる奨学金を用意しているところがありますので、お住まいの地域の奨学金制度を調べてみるのもよいでしょう。