世界一広大な国・ロシア。豊かな文化遺産と素晴らしい自然の多様性により、23のユネスコ世界遺産を持つロシアは世界で最も人気のある観光地のひとつになっています。
東西に広いロシアは、西のサンクトペテルブルクやモスクワから東のウラジオストクまで、多種多様な文化や伝統が息づいています。
ロシア文学やバレエ・オペラ・演劇・音楽・歴史等に興味がある方や、ロシア語を上達させて今後のキャリアやビジネスに活かしたい方にロシア語留学についてご案内いたします。
ロシア語留学ができる都市
ロシア留学では、モスクワとサンクトペテルブルクが人気の都市ですが、日本から近い極東・ウラジオストクや新潟県の姉妹都市・ハバロフスク等の他の都市でも留学することができます。
ここではそれぞれの都市の特徴をご案内します。
モスクワ
ロシアの首都であるモスクワは、人口が約1,259万のヨーロッパ最大の都市です。
歴史的な建物が多いモスクワの中心部から車で約30分のモスクワシティは、急激に近代化を遂げたロシアのビジネス中心地で、ヨーロッパでも有数の超高層ビル群やオフィスビルの一部が高級マンションとして利用されている複合施設等がある活気あふれるエリアです。
モスクワは国内のデジタル都市運営指標ランキング「IQシティ」でもトップの座に君臨しています。
赤の広場やクレムリン、ボリショイ劇場といった観光スポットやショッピング施設も近いエリアにまとまっているため、観光やショッピングも便利で、ナイトライフやコンサートを楽しめる場所も豊富です。
モスクワには世界遺産に登録されている建築物や劇場などがあり、ロシアの長い歴史を肌で感じることのできる機会が豊富です。
モスクワの街は比較的安全と言われていますが、スリや強盗は多いようです。
夜間の一人歩きは避ける等、防犯意識を常に持って過ごしてください。
物価はロシアでも最も高い街ですが、ヨーロッパ最大の都会の環境で留学したい方やビジネスに興味のある方はモスクワがおすすめです。
東京からのフライト時間: 約10時間(直行便)
気温: 夏は12℃から25℃、冬は-3℃から-10℃
交通: 地下鉄・トラム・バス・トロリーバス・タクシー等
寒い冬の対策はもちろんですが、寒暖差が激しいので夏場でも長袖が必要です。
タクシーは一般的に安全ですが、無認可のタクシーも存在します。外国人は過剰請求されることも多いので、乗車前に必ず運賃交渉をしてください。夜間の女性のみの利用は避けたほうがよいかもしれません。
サンクトペテルブルク
世界でも有数の経済・文化・芸術・科学の中心地の一つとして知られているサンクトペテルブルクは、世界三大美術館の一つであるエルミタージュ美術館で知られる、ヨーロッパの古い街並みを彷彿とさせる美しい街並みが印象的な都市です。
ソビエト連邦時代はレニングラードという名だったサンクトペテルブルクは、街の中心部や郊外の36の場所が「サンクトペテルブルグ歴史地区と関連建造物群」として世界遺産に登録されており、荘厳で美しい建築物・公園・博物館や美術館等が豊富で見どころが満載です。
ロシア初の記念碑や公立の博物館が開館したのもサンクトペテルブルグであり、市内には250以上の博物館や美術館を数えます。
オペラやバレエ等の劇場やロシア文学に縁のあるスポットも多く、世界中から訪れる観光客を魅了し続けています。
しかし、サンクトペテルブルクの街は観光客も多いため、物価も高めなのが事実です。
街は安全と言われていますが、モスクワ同様、スリや強盗には要注意です。
夜間の一人歩きは避ける等、防犯意識を常に持って過ごしてください。
文学やロシアの文化を身近に感じながら、留学生活を送りたい方にはサンクトペテルブルクがおすすめです。
東京からのフライト時間: モスクワまで約10時間+モスクワからサンクトペテルブルクまで約1.5時間(乗り換え便)
気温: 夏は13℃から20℃前後、冬は-1℃から-9℃
交通: 地下鉄・トラム・バス等
基本的に天候に関しての注意事項はモスクワと同じです。
サンクトペテルブルグの地下鉄は5つの路線があり、とても便利ですが英語表示はありません。
タクシー利用時はメーターがONになっていることを確認します。そうでない場合は運賃の交渉をしてください。
イルクーツク
東シベリアを代表する大都市のひとつ、イルクーツクは東シベリアの重要な政治・経済・科学・文化の中心地です。
バイカル湖の西66 kmにあるアンガラ川・イルクート川・ウシャコフカ川の近くにあるイルクーツクは「シベリアのパリ」と称されており、ヨーロッパの文化の影響を色濃く受けた教会や建築物、そして自然いっぱいの公園など、古き良き時代の美しい街並みが特徴です。
世界一の深さと貯水量、そして世界一の透明度を誇るバイカル湖は、約1200種類の動植物が生息し、そのうち300種類は固有種です。そのため、生物進化の博物館とも言われています。近年では水質の低下が危惧されていますが、イルクーツクはバイカル湖観光の拠点になっているため、夏季は特に多くの観光客が訪れます。
イルクーツクは近年、政府が開発に力を入れていることからめざましい発展を遂げており、大型のショッピングモールも出来ました。
レストランでは郷土料理や各国料理を試すことができます。例えば、ラッソーリニクでは地元の農家の料理を提供しています。ペリメニ(ロシアの水餃子)やボルシチ(ビートスープ)、デザートにはシベリア地方の名産である蜂蜜を使ったハニーケーキ等を楽しむことができます。
アンガラ河畔にある郷土誌博物館やイルクーツク郊外にある木造建築博物館は、東シベリア原住民の生活を知ることができる展示があります。
バイカル湖地域の人々の歴史に興味がある方や、この地域文化を訪れる散歩や自然を楽しみたい方には興味深い滞在ができます。
東京からのフライト時間: ウラジオストクまで約2時間30分+ウラジオストクからイルクーツクまで約4時間30分(乗継ぎ便)。ソウルからの乗り継ぎ便も有り
気温: 夏は11℃から25℃、冬は-2℃から-22℃
交通: トラム・バス等
他の都市同様、悪質な無許可タクシーも多いので、利用時にはホテルやレストランで配車を依頼するのが安心です。
ウラジオストク
日本から一番近いヨーロッパである極東ロシアのウラジオストクまでは、日本から直行便利用でわずか2時間30分で行くことができます。
緯度は札幌とほぼ同じで、日本海に面しています。
同じロシアでも大都会のモスクワやサンクトペテルブルグとは違い、のどかな田舎町といった雰囲気の街です。
アクセスの手軽さとロシアの古き良き時代の雰囲気が人気で、日本からの観光客も多く、世界で最も走行距離の長い鉄道であるシベリア鉄道はウラジオストクからモスクワまで9,297kmの距離を6泊7日かけて走ります。
ツアーではウラジオストクからハバロフスクまでの1泊2日の鉄道旅行が人気です。
ウラジオストクの観光スポットは、金角湾にかかる橋とウラジオストクの街並みが一望できる鷹の巣展望台が代表的です。
他にも新鮮で豊富な海産物をはじめ、肉・野菜・加工食品等の様々な食材が集まる中央広場の青空市でロシアの台所を見学して楽しむこともできます。
ヨーロッパの歴史ある重厚なオペラハウスに比べ、立方体でガラス張りの現代的なマリインスキー劇場では、手頃な価格でオペラ鑑賞を楽しむこともできますし、軍事科学に関心のある人は、世界で最も強力な海軍要塞のひとつとして認識と見なされているウラジオストク要塞を訪れることもできます。
また、ウラジオストクには可愛らしいカフェも多いので、ロシア風クレープ「ブリヌイ」をお試ししながら、まったり過ごすのもよいかもしれません。
東京からのフライト時間: 約2.5時間(直行便)
気温: 夏は17℃から26℃、冬は-3℃から-21℃
交通: バス・トロリーバス・タクシー等
英語について
第二次世界大戦後からロシアは長い間アメリカと冷戦関係にありました。そのため、その当時の教育を受けていたロシア人は英語を話せない人が多いです。
しかし、現代では国の政策として英語学習に力を注いでいるため、3人に1人は英語を「少し」または「ある程度」は話せると言われています。
また、大学学部の国際化や留学生の受け入れにも積極的に力を入れているため、特に海外に興味のある若年層で英語が必要とされてきています。
これまでと比べると、ロシアでは英語が通じるようになってきています。特にモスクワやサンクトペテルブルク等の観光で人気の街や留学生が集まる地域では、英語が通じることが多いでしょう。語学学校でも、英語で説明してくれる先生もいます。
しかし、地域差はあります。都市部を離れると英語が全く通じない場所もあります。
ロシア留学を決めたら、簡単なロシア語やキリル文字を読めるよう準備を始めることをおすすめします。
ビザ
ロシアで留学や観光をするためには、ビザの取得が必要です。
留学をする場合、留学先からのは招聘状が必要です。留学ビザには通常、有効期間が90日のシングルビザとダブルビザがあります。
ビザの延長は、ビザが失効する1ヶ月前の平日までにマルチビザ申請をロシア国内で行います。
ロシア語留学ができる語学学校
リデン&デンツ(複数都市)
- モスクワ・サンクトペテルブルク・イルクーツク・リガ(ラトビア)の4つのロケーションにキャンパスを持つ、ロシア初の私立語学学校
- 世界語学学校協会(IALC)加盟校。レッスンとサービスの品質に定評がある
- 講師の100%が大卒・語学教師資格保持者
- グループレッスンは2週間からお申し込み可
- 現地対面授業にオンラインで日本から参加できる「ハイブリッド型」のコースも提供
- サンクトペテルブルクのアカデミックプログラム(約1年まで留学可)は、語学学校での午前のグループレッスンに加え、午後に大学の授業に参加し歴史や文化を学ぶコースも
- ホームステイサービス(朝食付・朝夕付)・学生アパートあり
- 豊富なアクティビティ
- リガはEU圏のため、到着日から6ヶ月間で合計90日以内の滞在はビザなしで可能。EU圏の学生が多め
EDUCA(サンクトペテルブルク)
- 冬宮殿から徒歩2分、2つの地下鉄駅からも近い市内中心部の好立地
- 規模の大きい語学学校
- 1クラス最大6名の少人数制
- 講師の100%は学士号取得者。70%が公認機関による教員免許取得者
- ホームステイ(食事なし・朝食付き・朝夕食付き)
インリンガ (モスクワ)
- 100% 大卒・語学教師資格保持者
- 16歳から受講可
- 週2−3回のレッスン・フレキシブルなスケジュール
- オンラインコースあり
- 英語コースの提供あり
ロシアンランゲージコース(ウラジオストク)
- 短期滞在・観光客向け
- 18歳から受講可
- グループ・プライベートレッスン
- ホテルの手配可
- スカイプレッスンあり
- ガイド付きツアー(有料)もあるので短期留学でも観光も効率よく楽しめる
ホームランゲージインターナショナル(モスクワ・サンクトペテルブルク)
- 教師宅ホームステイ
- 週10時〜25時間のプライベートレッスンコースから選択
- 授業に加え、週5時間の希望の観光やアクティビティと空港送迎がセットで、講師と共にロシアの日常生活や文化も身近に体験可能
リンガ・バイカル(イルクーツク)
- 講師全員が修士号取得者
- 学習時間多め
- 18歳から受講可
- 実用会話・文法・ビジネスロシア語・ジャーナリズム言語・ロシア文学・ロシア語のスピーチのエチケット等のコースもあり
- イルクーツク大学の教授が共同で開発した特別コース「Welcome to Siberia」でシベリアの歴史と発展に関についての学習も可
- プライベート・ グループレッスン(最低人数に満たない場合、開講なし)
- ホームステイ・学生寮・ホテル・アパートの手配可
ロシア留学の都市と語学学校のまとめ
今回は、ロシア留学の都市と語学学校についてご紹介しました。
もちろん、ロシアは世界一広大な国ですので、上記でご紹介していない他の様々な都市でも留学することができます。
次回は、ロシア留学の費用やホームステイ等についてご案内いたします。